日本の味噌の種類と違いについて

日本の味噌の種類と違いについて

味噌とは大豆や米、麦等の穀物に、塩と麹を加えて発酵させて作る発酵食品で、日本では味噌汁の他、様々な料理に使われています。

味噌と言ってもその種類は1つではなく原料や味、色の違いにより、複数あります。
農林水産省の資料によると、味噌の輸出量は2013年から2019年までの6年間で約1.6倍増えており、今後も増え続けていくことが予想されます。

2019年の調査において、輸出先は米国がトップで4,818トンを占め、次いで中国やタイなどのアジア圏の他、欧州でも人気が高まっていることが伺えます。
ここでは、世界の食市場で堅調な伸びを見せている日本の味噌の種類や違いについてご紹介します。

日本の味噌の原料による違い

まず原料から見ていくと、日本の味噌は「米味噌」「麦味噌」「豆味噌」「調合味噌」の4つに分類されます。

米味噌

「米味噌」とは大豆に米麹を加えて作ったもので、日本で作られる8割がこれです。
北海道から四国にわたり広い範囲で生産されています。
米味噌は味にクセがないため、どんな料理にも合わせやすいです。
そして「白味噌」も米味噌の一種です。 

麦味噌

「麦味噌」とは大豆に麦麹を加えて作ったもので、中国、四国、九州地方を中心に生産されています。
塩分量は比較的少なめで麹の割合を多くして作られることが多く、甘みが強いです。

その反面、麹の量が多いことで発酵が進みやすく変色もしやすいと言われています。
麦味噌の最大の特徴はその香りにあり、他の味噌に比べて香ばしい、甘さのある香りがします。

豆味噌

「豆味噌」とは大豆、塩だけで作ったもので、東海地方を中心に生産されています。
赤みがかった焦げ茶色をしていることから、別名「赤味噌」とも呼ばれています。
一般的な味噌に比べて糖質が少ないため、甘味が弱く塩辛いです。
豆味噌は豊富な栄養素を含んでいるため、特に女性を中心に健康や美容の面で注目され始めています。

調合味噌

米味噌、麦味噌または豆味噌を3種もしくは2種調合したものです。
調合味噌は色の薄いもの、黒いもの、原料が麦のもの、米のもの、など多種多様に組み合わせができ、マイルドな風味のものが多いため、味噌を使った料理の幅を広げることができます。

 

日本の味噌の地域性

次に、日本の味噌の地域別の特徴についてみていきます。
北海道から九州まで、地域ごとに使われる味噌が異なり、また「ご当地味噌」というものも存在します。

北海道

赤色系の中辛味噌が代表的ですが、近年では白味噌も多いようです。
味噌を使った北海道の定番料理には「石狩鍋」、「味噌ラーメン」などがあります。

 北海道味噌

辛口の米味噌です。塩分が控えめでクセのない中辛口の味が特長です。

 

東北地方

赤色で辛口の米味噌が主流です。
味噌を使った定番料理には「ホタテ貝焼き味噌(青森)」、「いかのもんぺ焼き(秋田)」「どんこ汁(宮城)」などがあります。 

津軽味噌(青森)

「津軽三年味噌」とも呼ばれています。
辛口ではあるものの、長時間熟成させるため口当たりはまろやかです。

秋田味噌(秋田)

米どころ秋田の米麹をたくさん使用していることから、辛口でありながらも自然な甘みが感じられます。

仙台味噌(宮城)

戦国時代、伊達政宗が御塩噌蔵(おえんそぐら)と呼ばれる味噌製造所を設けて作らせた、伝統的な辛口の赤味噌です。

北陸地方

かつて東北と関西を結ぶ交流のエリアだったため、両方の特徴を持った淡色で辛口の米味噌が主流です。
味噌を使った定番料理には「れんこんの団子汁(石川)」があります。

 

加賀味噌(石川)

塩分量が比較的高い、赤色の辛口の味噌です。

  • 甲信越地方

淡色~赤色の辛口の米味噌が主流です。
味噌を使った定番料理には「五平餅(長野)」があります。

越後味噌(新潟)

辛口の米味噌です。米粒が味噌の中に浮いているように見えるため、「浮麹味噌(うきこうじみそ)」とも呼ばれています。 

信州味噌(長野)

日本一の生産量を誇ります。淡色で辛口、ほのかに酸味のある香りが特長の味噌です。

関東地方

北関東には「田舎味噌」と呼ばれる辛口の麦味噌がありますが、関東全体では辛口の米味噌が主流です。
味噌を使った定番料理には「味噌田楽(東京)」があります。

 

江戸甘味噌(東京)

蒸した大豆を使うため濃い赤褐色をしていて、米麹の割合が高いため濃厚な甘さがあります。 

  • 東海地方

静岡は米味噌ですが、愛知、三重、岐阜では豆味噌が作られています。
味噌を使った定番料理には「みそ煮込みうどん(愛知)」があります。

東海豆味噌(愛知、三重、岐阜)

名古屋味噌、三州味噌、八丁味噌とも呼ばれています。濃厚なうま味と渋みが特徴です。

  • 関西地方

米麹の割合が高い白味噌で、強い甘味が特徴です。
塩分量が少ないことから短期熟成型です。
味噌を使った定番料理には「西京漬け」があります。

関西白味噌

皮を取り除いて煮た大豆と精米度の高い米を用いるため、色は上品な黄金色です。

  • 中国地方

瀬戸内海側では麦味噌、日本海側では淡色辛口、関西よりの瀬戸内海側は白色甘口の米味噌が作られる。
味噌を使った定番料理には「牡蠣の土手鍋(広島)」があります。

府中味噌(広島)

皮を取り除いた大豆を原料としたクリーム色の甘味噌です。 

  • 四国地方

瀬戸内海側はやや白色、太平洋側は赤色と、色に違いがあります。
味噌を使った定番料理には「あんもち雑煮(香川)」があります。

讃岐味噌(香川)

濃厚な甘さがある、代表的な白色の甘味噌の一つです。 

  • 九州地方

麦味噌が主流ですが、福岡辺りでは米と麦の合わせ味噌が主流です。
味噌を使った定番料理には「冷や汁(宮崎)」があります。 

九州麦味噌

麦麹の割合が高く、塩分はやや低めで甘味が強いです。

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